egurimanの書評

興味を持ったことについて調べてます

一点特化型の天才 ガロアの決闘


「親がゲイ疑惑で自殺し、国王に歯向かって投獄され、恋人を守るため死ぬ」破滅型の代表格、数学者エヴァリスト・ガロア

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皆さんは「ガロア理論」を聞いたことがありますか?

この数学理論は難しすぎますが、超簡単に説明するとこんな感じでしょう「方程式のxyを、別々の文字ととらえずにx+yというカタマリとして見たら、色々な式が解きやすくなるよ!」

 

こういう理論を考えつくのは、私のイメージではこんな感じのおっさんです。

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が、ガロアは享年20才!!しかもイケメン!このイケメンの、壮絶すぎる人生を追って見ましょう!

 

 

少年期 唯一の幸せタイム

初めは、幸せなエリート家庭に生まれ、穏やかで楽しい生活を送れていました。

 

12才 独り立ち

パリの名門寄宿学校「リセ・ルイ=ル=グラン」に入学。ここは現在も続く名門校です。日本でいう岡山朝日高校みたいなところですね。

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ここからガロアの波乱に満ちた人生が幕を開けます。

表札のボロボロさから歴史を感じますね。10リットルくらいの雨水を吸ってそうです!

 

13才くらい? 天才の片鱗を見せる

数学にどハマりします。教科書なんて2、3日で読み終えてしまったそうです!私なんて、1日勉強しても、15ページくらいしか進まないのに!!!

 

だけど成績は良くありませんでした。「公式を使わずに自分流で問題を解く人」みたいな感じなんですかね?

 

 

17才  波乱の幕開け

この若さで、パリの偉い研究所に論文を提出します。しかし、論文を預けた相手がチャランポランのどうしようもないやつで、その大切な論文をなくしてしまいました。しかもこいつは、ガロアには「出したよ〜」とうそをついていたとか!

一方で大学受験には失敗します。数学以外には興味がなかったことと、面接の試験官に腹が立って、黒板消しを投げつけたそうです。「スマホとエロ本の持ち込みは禁止だから」とか言われたんですかね?

 

18才 父の自殺

ガロアの父さんが、当時の権力、教会に目をつけられ、ゲイ疑惑をかけられてしまいます。この当時、LGBTに対する理解度はゼロです。BL本とか読んでたら、死刑になるような時代です。失意のうちに父さんは自殺し、ガロアどん底に落ちていきます…

 

19才 タイーホ

色々な不運が重なり、ムシャクシャしていたのでしょう。「国王やめろー」的な破壊活動に参加し、めでたくお縄になります。

「民衆のために僕が死んでもいい」と、キリストのようなことを言っていたようで、案の定、他の囚人にいじめられたようです。

この時期に、ガロア理論や、その他の色々な理論がまとめられました。

f:id:issssa:20190225194937j:plain字めっちゃ汚い。これは一見数式だって気づかないわ…

 

 

20才 決闘で犬死

なぜかこの時期彼女ができます。危険な男に惚れる女と付き合ったんでしょう。しかし、そこは危険な女。やばい男とつながっていたようです。で、そいつが「オラオラ、なに俺の女に手ェ出してんじゃボケ!決闘じゃ!ぶち殺してやる!」と突っかかってきました。

この当時、おフランスでは決闘は普通に行われており、相手が死ぬまでやることが認められていました。しかも、その決闘を断る男は、ヘタレ認定されて、一生バカにされます。

血の気の多いガロア「ああ?フザケンナよ、クソが!どっちが本当にいい男か、はっきりさせてやろうじゃねえか!」と意気揚々と誘いに乗り、あっけなく撃ち殺されます。

 

しかし、あっけなく死んだと言っても、その前日には、のちの数学の基礎を形作るメモを残していたり、「泣かないでほしい。20才で死ぬということは、とても勇気がいることなのだから」と、セカチューの最後に出てきそうなかっこいいセリフを残したり、やることはきっちりやって、この世を旅立ちました。

f:id:issssa:20190225200710p:plain派手な女を好きになる童○ガロア

f:id:issssa:20190225200706p:plain恋敵とファイト

f:id:issssa:20190225200416p:plainなんかかっこいいセリフを残して死ぬ

 

 

 

どうだったでしょうか、悲劇の天才ガロア

 

彼は、その生涯では、自分の理論がほとんど理解されませんでした。その当時の数学力では、理解できないほど難解だっからです。例えば、「5次以上の方程式には解の公式が存在しない」ことを見つけましたが、これは死後何年も経ってから、正しいことであると証明されました。 

 

「頭は良くても、生き方は下手クソだし、周りに評価もされない」そんなガロアの不運で、ある種愚直な生き方が、彼を孤高の天才という理解できないほどすごい偉人から、親しみを持てる女好きの青年へと、僕たちとガロアを近づけてくれているような気がします。

 

皆さんは、そこそこなんでもできるアベレージヒッターと、「人生をかけて一つの芸術品を作る」低打率のホームランバッター、どちらになりたいですか?

 

今の日本で求められているのは、間違いなく前者でしょう。試験や資格で満遍なく点を取ることが出世の早道です。

 

しかし、人々の記憶に残るのはどんな人たちでしょう?間違いなくこんな人たち

じゃないでしょうか?

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こんな風に、成績とかいうつまらないものにこだわらず、自由気ままに乱闘して、生きていく人は、「記録より、記憶に残る」人と言えるでしょう。

 

そして数学者や科学者は、このタイプが多いです。なので、また機会があれば、まとめてみたいと思います。